健診で尿酸値が高いと言われたが、特に症状がないので放っておいたら・・・

血液中の尿酸値が「7.0㎎/dl」を超えると「高尿酸血症」と呼ばれるようになります。尿酸値が高いだけでは特に症状はありません。しかし、尿酸値が高い状態が続くと、体のあちこちで「結晶」として析出してきます。析出した尿酸塩の結晶は、炎症を起こして「痛風」をおこします。

主な初期症状としては、足の親指付け根に激痛が走る前にムズムズとした違和感が起こるなどの違和感が感じられます。少しの痛みは一週間程度で収まることもあるため、その間にご自身で湿布や痛み止めで痛みを和らげて放っておく人もいますが、あまり放っておくことはおすすめできません。高尿酸血症になると、尿に排出される尿酸も増えるため、腎臓で、尿酸塩の結晶が析出し「腎結石」となります。「腎結石」がやがて「尿管」に移動すると、「尿管結石」となり、背中や腰に激痛を生じます。また、尿酸塩は腎臓の内部にも細かい結晶として析出し、「痛風腎」という病気を引き起こします。痛風腎は、尿酸値が非常に高い状態が長期間持続すると起こり、腎不全を引き起こす怖い病気です。

治療としてはまず生活習慣、特に食生活の是正を図ります。尿酸値はプリン体と呼ばれる物質を摂取することで上昇しますので、プリン体を多く含むアルコール、レバー、肉類、魚卵、えびなどに気をつけていただきます。それでも改善しない場合は、お薬の服用が必要です。尿酸値を下げる薬には、「尿酸産生抑制薬」と「尿酸排泄促進薬」の2つのタイプの薬があります。経過を見ながら患者様に合ったお薬を調整し処方します。