夜尿症(おねしょ)
夜尿症は、睡眠中に尿漏れが起きるものであり一般的に「おねしょ」として知られています。この症状は子供だけでなく、成人にも発生することがあります。子供の夜尿症は通常、排尿に関する機能が未発達であることが原因で、成長とともに自然に解消されることが多いです。しかし、大人の夜尿症には重要な疾患が潜んでいることもあるため、泌尿器科を受診し、原因を特定することが大切です。
子供は成長とともに昼間の排尿に慣れ、その後夜間のコントロールも向上していきます。一部の子供は水分摂取過多や排尿機能の発達の遅れなどの理由から、5歳までに夜尿症の症状を経験します。ただし、6歳以上で週に1回以上続く場合、夜尿症の可能性が高まります。
夜尿症の検査
まず夜尿症のタイプを調べるために、「排尿日誌」を記録してもらいます。排尿日誌とは、起きている間の水分摂取量、おしっこの回数と1回量、夜間のおねしょの回数を記録していただくものです。また、何か他の病気が潜んでいないかなどを調べるために、尿検査、腹部超音波検査、腹部や仙骨部の診察などをすることもありますが、特に痛い検査はありません。
夜尿症の治療
治療の基本は生活指導です。
①睡眠中にお子様を起こすことは、抗利尿ホルモン(尿を作らなくするホルモン)の分泌に悪影響を及ぼす可能性があるため避けましょう。ただし、夜尿アラームの使用は例外です。
②夕食は就寝の3時間以上前に摂るようにしましょう。
③便秘を避けるためにも適切な食物繊維を摂り、乳酸菌を積極的に摂取しましょう。漬物などの高塩分食品は避けましょう。
④午前中にお水やお茶を十分に摂るようにし、水分摂取は日没までにしましょう。スポーツや発汗時にはその場で水分を補給しましょう。
⑤就寝前に必ずトイレに行き、排尿をしましょう。
⑥お子様本人ができるだけ自分で排尿日記をつけるようにしましょう。この日記は夜尿の量や膀胱の状態を追跡し、効果的な治療法を見つけるのに役立ちます。
⑦十分な水分を摂り、夕方から就寝までになるべく排尿しないにようします。この訓練を毎日行って膀胱容量を増加させます。ただし、昼間のお漏らしのある場合は行わないよう注意しましょう。
薬の治療を行うためには、生活習慣の改善、特に夕方以降に水分を飲みすぎないことが徹底されているのが条件です。それをしっかり守った上で、まだおねしょがある場合は薬の治療を検討します。