前立腺肥大症
前立腺は男性特有の臓器で、膀胱の出口に接し、内側に尿道が通っています。前立腺が肥大すると、内
側の尿道を圧迫して尿の勢いが弱くなるといった排尿障害の症状がみられます。組織学的な前立腺肥大は、60歳で60%、70歳で80%、80歳では90%にみられますが、そのうち治療を必要とする方の頻度は約25%と言われています。排尿障害を放っておくと、残尿(排尿後も膀胱に残る尿の量)が増え、残尿感や頻尿症状が現れたり、尿路感染や腎不全(腎機能の悪化)などの病気を引き起こすことがあります。
原因
加齢とともに増える病気ではっきりとした原因はわかっていませんが、男性ホルモンの関与が指摘されています。前立腺は男性ホルモンによってその働きを維持しているため、加齢によりホルモンバランスが変化すると影響を大きく受けると考えられています。他の原因には、遺伝や肥満、高血圧症・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病や食の欧米化との関連もあるとされています。
前立腺肥大症の検査
問診によって症状を確認します。その際に、尿の出具合に関する質問票(国際前立腺症状スコア(I-PSS)と呼ばれます)が用いられることがあります。続いて尿検査や必要に応じて血液検査を行います。当院ではエコーでの前立腺体積測定を行い前立腺肥大の程度をしっかり診断してから治療を行います。その後は排尿症状の経過をみるために排尿の検査(尿流測定・残尿量測定)を行います。
前立腺肥大症の治療(内科的・外科的)
治療の基本は内服治療です。症状や他の薬との飲み合わせなどを考慮し、一人一人に合った副作用が少なく、アンチエイジング効果も期待出来る薬を中心に提案していきます。
薬を飲んでもなかなか尿の勢いがよくならない、残尿が多い、尿がまったく出なくなる「尿閉」を起こす、など重症の前立腺肥大症の方もいます。そのような方は手術がおすすめです。手術をご希望の方は、私自身が戸田中央総合病院にて手術支援を行っており手術までの日程もスムーズに連携が可能です。また、院長の執刀を希望される場合はご相談ください。