停留精巣
精巣は通常、妊娠後期において陰嚢内に下降し、妊娠35週頃には陰嚢の下に固定されます。この正常な下降が停滞してしまう状態を「停留精巣」と呼びます。停留精巣は比較的一般的な疾患であり、出生時の診察や乳児検診で見つかることが多いです。精巣が陰嚢内に移動せずにずっとお腹の中にあると体温に常にさらされてしまい正常な精子をつくれなくなります。
停留精巣がなぜ起きるのかはっきりしたことはよくわかっていませんがだいたい男児の1%くらいでおき、未熟児の場合は15%くらいで起きるといわれています。治療としては、半年から1年くらいは睾丸が自然に降りてくるのを待ちますが、1歳以降になるとあまり降りてこなくなりますので睾丸を陰嚢までおろすための手術をすることが多いです。
停留精巣をそのままにしておくと造精機能が低下してしまうことがありますが、さらに長期間放置すると癌化しやすいとされています。