停留精巣
精巣は通常、妊娠後期において陰嚢内に下降し、妊娠35週頃には陰嚢の下に固定されます。この正常な下降が停滞してしまう状態を「停留精巣」と呼びます。停留精巣は比較的一般的な疾患であり、出生時の診察や乳児検診で見つかることが多いです。精巣が陰嚢内に移動せずにずっとお腹の中にあると体温に常にさらされてしまい正常な精子をつくれなくなります。
停留精巣がなぜ起きるのかはっきりしたことはよくわかっていませんがだいたい男児の1%くらいでおき、未熟児の場合は15%くらいで起きるといわれています。治療としては、半年から1年くらいは睾丸が自然に降りてくるのを待ちますが、1歳以降になるとあまり降りてこなくなりますので睾丸を陰嚢までおろすための手術をすることが多いです。
停留精巣をそのままにしておくと造精機能が低下してしまうことがありますが、さらに長期間放置すると癌化しやすいとされています。
停留精巣 よくある質問(FAQ)
Q1. 停留精巣とはどのような病気ですか?
停留精巣とは、本来陰嚢の中にあるはずの精巣が、出生後も陰嚢内まで下降していない状態です。男児では比較的よくみられる先天性の病気です。
Q2. 停留精巣は自然に治りますか?
生後数か月の間に自然に下降することがありますが、生後6か月頃を過ぎても下降しない場合は自然に改善する可能性は低くなります。
Q3. 停留精巣はどのような症状がありますか?
多くの場合は痛みなどの症状はなく、「陰嚢に精巣が触れない」「左右で陰嚢の大きさが違う」といったことで気付かれます。
Q4. 停留精巣は放置しても大丈夫ですか?
放置すると、将来の妊孕性(妊娠させる力)の低下や精巣がんのリスク増加、精巣捻転などにつながる可能性があります。そのため、適切な時期に治療を受けることが重要です。
Q5. どのような検査を行いますか?
診察で精巣の位置を確認します。必要に応じて超音波検査などを行い、精巣の位置や状態を評価します。
Q6. 停留精巣の治療はどのように行いますか?
治療の基本は手術(精巣固定術)です。精巣を陰嚢内へ移動させて固定します。診察や検査で停留精巣が疑われた場合は、手術が行える専門医療機関をご紹介します。手術の適応や時期についても丁寧にご説明します。
Q7. いつ頃手術を受けるのがよいですか?
一般的には生後6か月以降に診断し、1歳前後までに手術を行うことが推奨されています。詳しい時期はお子さんの状態に応じて判断します。
Q8. 停留精巣は将来、不妊の原因になりますか?
片側では影響が少ないこともありますが、両側の場合や治療が遅れた場合には、将来の妊孕性に影響する可能性があります。
Q9. 停留精巣は精巣がんになりやすいですか?
停留精巣では、正常に下降した精巣と比べて精巣がんのリスクが高くなることが知られています。早期に手術を受けることで診察や自己触診がしやすくなりますが、リスクが完全になくなるわけではないため、定期的な経過観察が大切です。
Q10. どのような場合に受診すればよいですか?
乳幼児健診などで停留精巣を指摘された場合や、陰嚢内に精巣が触れない、左右差が気になる場合は、早めに泌尿器科または小児泌尿器科を受診してください。
